築85年の旧銀行建築と隣接する美術館の2棟を
繋いでホテルへ改修

プロジェクト概要
函館ベイエリアに建つ、築85年の旧銀行建築をリノベーションしたホテル
函館港を臨み、函館山を背にした八幡坂のふもとに位置する2棟の建物を繋いで、ホテルへとコンバージョンしました。1棟は1932年に建設された旧安田銀行函館支店で、函館市の景観形成指定建築物にも指定されています。隣接するもう1棟の旧西波止場美術館は赤レンガ仕上げの外観が特徴で、函館の街並みに美しく調和しています。
客室は1名様からグループまで、多様なニーズに応える全9タイプ58室の部屋で構成しています。館内には函館湾を一望する開放的なルーフトップテラスや、テラスに隣接するシェアキッチン、旧銀行の面影が色濃く残るブックラウンジなど、既存建物を活用した多様な共用部を併設しています。
担当範囲
課題と解決
課題
遊休不動産となっていた歴史的建築物の活用
本物件は1932年築の旧銀行建築で、函館市の景観形成指定建築物に指定されていました。銀行として使用された後、2010年まではホテルとして使用されていましたが、その後は活用されていない状況でした。また旧銀行建築は、延床面積約230坪と規模が小さく、ホテルとしては事業化しづらい状況でした。
ブランドビジョンの体現
THE SHARE HOTELSは”SHARING WITH LOCALS 地域との共生”をビジョンとし、地域プレイヤーの活動・発信の場を提供しながら、宿泊者と地域との接点を創出するホテルブランドです。本物件は函館の街並みを代表する近代建築であり、その地域資源を有効活用し、ツーリストやローカルプレーヤーが集う施設になることが求められました。
解決
隣接する2棟を一体として開発
旧銀行建築と、隣接するレンガタイルの外観が特徴的な旧美術館の2棟の遊休不動産を1つのホテルとして活用することで、客室数を確保し事業化に繋げました。旧銀行建築は当時の意匠を生かした個室タイプの客室とし、旧美術館はスキップフロアが連続する特徴的な空間を生かしたドミトリールームを含む客室構成とし、さまざまなニーズを受け入れるホテルとしました。
港町・函館の歴史を取り入れたデザイン
旧銀行建築の外観は、傷んだ部分を補修しながら、オリジナルの意匠性を維持。また館内は、内装解体時に出てきた装飾が施された梁などを活かし、建築当時の雰囲気を引き継ぎました。さらに、かつての旧銀行のエンブレムやホテル時代の看板などを館内のインテリアに取り込んでいるほか、北海道のアーティストによる、函館をモチーフにしたアートワークを館内随所に配置。函館の歴史や地域の魅力を再発見できるホテルを実現しました。






物件概要
- 物件名
- HakoBA 函館 by THE SHARE HOTELS(公式HP)
- 所在地
- 北海道函館市末広町23-9
- アクセス
- 函館市電(路面電車「函館駅前」-「末広町」間)8分
「末広町」停留場徒歩3分
JR函館駅徒歩23分/車10分 - 構造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)
- 延床面積
- 1995.03平米
- 築年月
- BANK棟:1932年/DOCK棟:1986年7月
- 従前用途
- BANK棟:ホテル/DOCK棟:店舗(美術館)
- リノベーション後用途
- ホテル
- リノベーション年月
- 2017年5月
- 開業日
- 2017年5月