管理組合・管理会社と共に実現した、
普遍的価値を維持する不動産再生

プロジェクト概要
時を超えて蘇る、唯一無二の集合住宅
バブル絶頂期だからこそ実現した豊かな空間、本物の素材、洗練された意匠、そして優れたロケーション。これらを併せ持つ唯一無二の集合住宅が「瀬田ファースト」です。二子玉川の丘に佇む銘邸は、バブル崩壊後に分譲を断念されたものの、かつては高級賃貸レジデンスとして人々の羨望を集めました。 しかし「失われた20年」を経て、わずか数世帯しか居住せず、適切な維持管理もままならない状況に陥りました。そこで私たちはこの建物の所有者の一人 となり、管理組合、管理会社と共にリノベーションを実施。さらに、その魅力を普遍的に維持する仕組みを導入、新たな所有者へ分譲すること で、再び豊かな暮らしが営まれる建物へと再生することを目指しました。
担当範囲
課題と解決
課題

管理不良へと陥った元高級賃貸レジデンス
1992年バブルの絶頂期に竣工した本物件は、バブル崩壊後長らく賃貸マンションとして運営。一部は外国人向け高級賃貸レジデンスとして賃貸されていたが、需要の減少に伴い空家化が進行。リビタが取得した2012年頃はリーマンショック後であり、数世帯しか居住者がなく、マンションの適切な維持管理もままならない状態へと陥っていた。
経年劣化が目立った共用部と専有部
共用部分・専有部分ともに複数の劣化状況が認められる状況だった。共用部分においては、外壁等からの漏水やルーフバルコニー床の劣化、外構等の老朽が目立った。また専有部分においては給湯システムやエアコン等の個別での交換・メンテナンスの難しい特殊設備が採用されていた。
将来の修繕積立金の不足不安、長期修繕計画が未整備
長期修繕計画が未整備で、将来の修繕積立金が明らかに不足する状態であった。機械式駐車場はサイズの問題がありあまり利用されず、管理費、修繕積立金の収入面での懸念もあった。
解決

物件の魅力を維持される仕組みのデザイン
リビタが建物所有者の一人となり、管理組合・管理会社と協働してリノベーションを実施。長く住み継がれるために、ライフサイクルコストの低減と運営改善を図りました。管理費の無駄を削減し、不足していた修繕積立金へ振り替えることで健全な運営体制へ。さらに、設備インフラの改修でランニングコストを改善し、駐車場の増設で管理組合収入を強化。30年間の長期修繕計画を実現する道筋を築いた。
一棟まるごとリノベーション事業で培ったノウハウの活用
共用部分の改修工事は、一棟まるごとリノベーション分譲事業で培ったノウハウを活かし、外壁(タイル補修、洗浄、屋上防水補修、漏水箇所補修等)、共用部分(扉交換、塗装、植栽、エレベーター等)、外構、駐車場の改修を実施。
デザイナー起用による専有部の付加価値化
全体的劣化がみられた専有部は、実績のある著名デザイナーを起用。現在のライフスタイルに合わせプランを変更するとともに、普遍的な内装デザインでリノベーション。他住戸の今後のリノベーションの参考にもなり得るフルリノベーションを実施した。






物件概要
- 物件名
- 瀬田ファースト(公式HP)
- 所在地
- 東京都世田谷区瀬田1丁目
- アクセス
- 東急田園都市線東急大井町線「二子玉川」駅 徒歩7分
- 構造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 敷地面積
- 3485.21平米
- 延床面積
- 3573.47平米
- 築年月
- 1992年1月
- 区画数
- 15戸
- 従前用途
- 共同住宅
- リノベーション後用途
- 共同住宅
- リノベーション年月
- 2013年3月竣工
- 設計者
- ・A.N.D.(乃村工藝社小坂竜氏率いる)
・FORWARD STYLE(南部昌亮氏率いる) - 撮影
- Nacása & Partners Inc.※1,2,6枚目