屋内プール跡地のある複合ビルをホテルへとコンバージョン
プロジェクト概要
瀬戸内ローカルへの分岐路をコンセプトとする、地域に開かれたホテル
広島市中心部の八丁堀エリアに位置する、築29年の複合ビルをコンバージョンしたホテルです。半円型の天窓に覆われた屋内プール跡地を、光と緑が溢れるゲストラウンジ「THE POOLSIDE」へと改修し、唯一無二の空間をつくりました。ここは宿泊者専用のゲストラウンジであり朝食会場でもあり、また、地域プレーヤーたちがエリアの魅力を発信する場にもなります。
また、1階には広島各地のバリスタが日替わりで出店するコーヒースタンドを併設しており、旅行者はバリスタにローカルスポットを尋ねることもできます。さらに、さまざまな分野で活躍する広島のキープレーヤーたちが集うサロンも併設しています。客室は全11タイプ49室で1名様からグループまで多様なニーズに対応しています。
担当範囲
課題と解決
課題
複合ビル内の空きテナント部分の改修
本物件は延べ床面積約790坪の複合ビルであり、そのうち約580坪分が空室状態だった。ホテルとして収益を確保するには、やや小規模であり、複合ビルという複雑さや、建物形状、柱割、開口部位置などを踏まえ、レンタブルを高めるプランニングが必要不可欠。また、3階の一部は屋内プールであり、そのユニークさを最大限生かすための企画も求められた。
ブランドビジョンの体現
THE SHARE HOTELSは”SHARING WITH LOCALS 地域との共生”をビジョンとし、地域プレイヤーの活動・発信の場を提供しながら、宿泊者と地域との接点を創出するホテルブランドです。初出店地域で、THE SHARE HOTELSがこれまで実現してきた既存建物の特徴を最大に生かした唯一無二の空間づくりと、多様な地域プレーヤーが活躍する場の運営を両立させる企画が求められた。
解決
ロフトや2段ベッドを多用し収容人数を確保
ベッドを平面に並べる一般的な客室プランでは収容人数が限られ、客室単価が限定的だった。そこで、階高を生かして、ロフトや2段ベッドを多用し、1室あたりの収容人数を高めることで客室単価を高め収益性を確保。また、3~4名定員の客室は広島のマーケットにおいて希少であり、インバウンドのグループやファミリーなどのニーズにマッチし、安定的な収益を実現。
屋内プールを生かした、光と緑が溢れるゲストラウンジ
3階の元屋内プール跡地は、既存の窓やタイル、梯子などの意匠を生かしつつ、光と緑が溢れるゲストラウンジとした。また瀬戸内エリアのカフェや地元広島の植栽屋や家具メーカー、書店などと積極的にコラボレーションすることで、地域の魅力を発信する拠点として整備。この空間は、ユニークベニューとしてホテルの代名詞となり、認知拡大とブランドの向上に寄与するとともに、宿泊者に体験価値を提供。
地域プレイヤーの関わりしろをつくる
1階のホテルフロントに併設した空間で、日替わりで地元のバリスタが出店するコーヒースタンドを展開。美味しいドリンクを提供することはもちろん、バリスタがコンシェルジュとして宿泊者にディープな地域情報を提供する役割を担っている。また、館内には、さまざまな分野で活躍する広島のキープレーヤーたちが集うサロンも併設し、多数の地域プレーヤーが館内を出入りすることで、その地域の今を感じ取ることができるホテルとなった。
物件概要
- 物件名
- KIRO 広島 by THE SHARE HOTELS (公式HP)
- 所在地
- 広島県広島市中区三川町3-21
- アクセス
- 広島電鉄本線・白島線「八丁堀」停留場徒歩6分
- 構造
- 鉄筋コンクリート造(RC造)
- 延床面積
- 1999.47平米
- 築年月
- 1990年
- 従前用途
- 複合ビル
- リノベーション後用途
- ホテル
- リノベーション年月
- 2019年
- 開業日
- 2019年9月
- 撮影
- Gottingham※3,4.5,7枚目以外