リノサポブログ

家づくりのこと

2017.10.23
「できれば対面キッチンにしたいのですが、水廻りの位置って変更できますか?」

こちらは物件の内見時や、リノベーションのご相談をいただいた際によく聞かれる質問のひとつです。

いきなりですが結論です。

「意外と動かせます! ・・・が、もちろん制約があります」

大切なのは”制約”になる部分ですよね。

不動産販売図面や、物件の内見時にリノベのプロたちがどこに注目しているのか!?
そのポイントを今回はキッチンにフォーカスをあてて、リノサポのどうしても猫が好きなコンサルタント山田とリノベに興味がある猫りびにゃん(仮)とがお伝え致します。
※猫ネタをはさんでいきたいと目論んでいますのでお付き合いいただけますと嬉しいです。


このブログのポイントは3つです。

POINT 1) PSの位置とキッチンの位置をまず確認!
POINT 2)その物件は直床工法?
POINT 3)レンジフードの排気口はどこにある?


読んでいただいた後、物件の図面を見た時や内見時に、自分でもどのくらい水廻りを変更できるかの
大枠をおさえられる”賢いお客様”になっていただけます。




POINT 1) PSの位置とキッチンの位置をまず確認!PSと水廻りの密接な関係。

図面を見ていただくと、小さく囲われたエリアに「PS」と書かれていると思います。
PSはパイプスペースの略で、配管スペースのことです。
マンションの場合、このPSは上下階で連続してつながっておりタテに給水管・排水管などの設備配管が通っています。
共用部でもあるため勝手に位置を動かすことができません。


例えば、リビタの物件の図面を見てみましょう。

このPSにキッチンや洗面、洗濯、お風呂の配管がつながっているため、
水廻りをどこまで動かせるかはPSの位置と密接に関係しています。



1番のポイントは給水管よりも排水管。
排水管は水がしっかり流れていくために適切な勾配をとらなければなりません。
そのためPSから離れる程、勾配をとるために床の高さが必要になってきます。




PSから遠く離すことは物理的に可能ですが、床に段差を設けてキッチンエリアを高くする必要がでてきます。
その場合は天井高さが低くなることが考えられますのでリノベーション
することでどんな暮らしを実現したいのか、
何を大切にしたいのかじっくり考えて
優先順位をつけましょう。

ちなみに、敢えてキッチンエリアの床をあげてステージのようにする事例もあります。
その事例はこちら
「キッチンが主役な家」



POINT2)その物件は直床工法?それとも二重床工法? 床ドンドンで見極める!

先ほどの床を高くする必要があるかもしれない、ということにとってマンション自体の工法は意外と重要です。
二重床(にじゅうゆか)工法はスラブといわれるコンクリート床の上に更に床組みをしている工法です。
床下空間があり、比較的リノベーションもしやすい工法です。配管を床下空間の中で納めます。



直床(じかゆか)工法はスラブに直接仕上げがされている工法です。
この場合、PSからキッチンが離れると床下スペースがないので床を上げる必要性が考えられます。

築年数の古いマンションはスラブ下(=下階の天井裏です)で配管されているものもあり、そもそも移動が難しい場合もあります。キッチン形状や間取りを工夫することで打開ポイントもありますのでプロに相談するのが望ましいです。


直床工法の中には、水廻りエリアが他のスラブより一段下がっている場合もあります。
二重床工法と直床工法の併せ技のような状態です。
この場合は床下空間がありますのでスラブが下がっているエリアの中で比較的自由にキッチンを動かせる可能性があります。




二重床工法なのか直床工法なのか、見極めるのは意外と簡単かつアナログです。

かかとでドンドンと床をたたいてみましょう。

太鼓のような跳ね返りや空洞っぽい音がしたら二重床の可能性が大。
逆にかたくて詰まっている感じがしたら直床の可能性大です。

直床の場合、遮音性能を確保するために弾力のあるふわふわとした床材を使用していることも多いです。

内見時に売主様がいらっしゃる場合は、床ドンドンの許可を得るのがベターです。


POINT3)レンジフードの排気口はどこにある? レンジフードと排気口を結んでダクトルートを見極める!

ここからはキッチンの排水以外にも重要な要素、レンジフード(換気扇)についてです。
レンジフードの排気はダクトといわれる配管を通っています。きちんと煙と臭いをすいこむ機能面はもちろんのこと
安全面も考慮して排気がスムーズにいくよう計画していかなければなりません。




既存の状態でダクトルートを見極めるためには、まず図面に「DS」の文字を探します。DSはダクトスペースのことです。
こちらもPSと同じく上下階で連続しており、ここに接続されている可能性が高いです
が、建築年が1990年以降のマンションではあまり見受けられません。(もちろん例外もあります)

多いケースとして、バルコニーや外壁、玄関MBまわりに排気されていますので、それらの周辺で排気口を探します。
キッチンのレンジフードから天井を眺めて梁のようなボコッとしているものがあったらその行き先をチェックです。
そこには排気口があるかもしれません。
お風呂の排気口と間違えないように注意です。




レンジフードをスタート地点として排気口のゴールと結ぶことで、どの梁またはどの構造壁を貫通しているかがわかります。貫通している梁・壁以外の梁・壁を越えることは、物理的には可能ですがあまりおすすめしておりません。
これでおおよそどの範囲でキッチンが動かせそうというのが見えてきます。




ちなみに、コンロの熱源がガスではなくIHの場合は、ダクト不要なタイプのレンジフードを利用できるためダクトルートによってキッチン位置を制約されることがほとんど無くなります。



+1つの優しさPOINT 寒くなってきたら猫助け 猫バンバン。
朝晩が冷え込む季節になりました。。
急に冷え込んできたこの頃は、外で生活をしている猫たちもあたたかい寝床を求めております。
そんな彼らは駐車してあるバイクや車のエンジンルームで暖をとることもしばしばで、これに気が付かず、朝、エンジンをかけてしまったらお互いに大変なことになります。
是非、エンジンをかける前に車のボンネットをバンバンたたいてみてください。
小さなアクションが大きな優しさになります。

にゃー

【3つのポイントのおさらい】
★PSの位置とキッチンの位置をまず確認!
★床ドンドンで見極める!
★レンジフードと排気口を結んでダクトルートを見極める!


図面や物件内見時に見る視点がちょっと変わりそうですか?

これら以外にもそもそもマンション単位の規約で移動が制限されている場合もありますので規約の確認も必要です。
内見時にそこまで見ることができません、、、という方もご安心ください。
リノサポではお客様が内見に集中できるよう、コンサルタントがこれに限らずチェックポイントを確認しています。
物件により状況は様々ですし、図面に記載があっても解体したら図面と違ったということも稀にあるのも事実ですが、
ご不明な際はご相談ください。


”賢いお客様”になって自分たちらしい暮らしを手に入れましょう。

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