リノサポブログ

家づくりのこと

2011.06.30
リノベーションフルサポートサービス、コンサルタントの大嶋です。
 
先日ご紹介した、[キッチンマニア]~ダイニング一体型対面タイプ編~に引き続き、キッチンマニアシリーズの第2弾として今回の題材は~素材(部材)にこだわりコストも◎編~をお届けいたします。
(今回からご覧になられた方は是非第1弾もご一読ください!)
 
 
最近の素敵なお宅を、雑誌など含め拝見していると、前回のような対面式キッチン、または対面式に限らずとも、リビングとキッチンがひとつの空間に同居するよう設計されていることがほとんどです。そうなると、必然的にキッチンの見え方も工夫したくなりますよね?
 
そんなキッチンにおいてポイントとなるのが、天板や側面などに用いられる素材達!! 

というわけで、このキッチンマニアシリーズでは、キッチンにまつわるマニアなお話を、概ね皆さんがジャッジを下していくであろう順序に沿ってご紹介してまいります。
 
①形状<対面式>※前回
 ↓
②スペック<システムキッチン or 造作(オーダーメイド)>
 ↓
③素材(部材)
 ↓
④次回お楽しみに!!
 ・
 ・
 ・
 
②のスペックを選択することについて、自由設計では、オーダーメイドで自分達の使い良いモノをつくっていく方が多いため、概ね割愛させていただきますが、あえて簡単に特徴を触れておくと、
 
「メーカーシステムキッチン」⇒機能的、安価に抑えやすい(※選定するモノにもよりますが)
「造作キッチン」⇒大きさ・素材・使い勝手にこだわれる、設計次第で安価に
 
といった特徴が挙げられます。
ただ、「メーカーシステムキッチン」でも見映えにこだわれる方法等ありますので、そちらは後ほど※触れたいと思います。
 
 
さて、今回は上記③について触れていきたいと思います。
 
キッチンの素材(部材)によってお部屋全体の見え方が変わってくるのも、その存在感の大きさを感じるところです。
 
キッチンの素材の構成要素としては、大きく[面材(側面・扉等)][天板][立ち上がり(壁面)]に分けられるかと思います。
 
どのような素材が人気があるか、またその特性などを、おおむねの場合、見えてくる面積が大きい順にご紹介していきます。

 
先ず最初に[面材]。
素材としては、「木の突板(木材を薄くスライスしたもの)」「メラミン化粧版」「塗装(プラスターボード下地)」「珪藻土」「SUS(ステンレス)」「タイル」などがよく挙げられます。

 
素材と色味の選定は、他の家具や床の素材との調和を考えて選ばれるべきですが、コストという分類でいうと、「メラミン化粧板」などは他に比べると安く仕上られるため、打合せの中でコストダウンの方法として選ばれることも多い素材です。
 
逆に、「突板」や「珪藻土」などといった本物の素材では、そのモノ自体が味があったり多機能である分、コストは塗装などに比べると高くなりがちです。また、「タイル」を張りたい場合、大工さんや家具屋さん以外にタイル屋さんが人工(にんく)をかけて施工するため、その分の別手間となる施工費が余分にかかります。
 
往々にして工事費の中では、キッチンの比重が大きくなりがちです。
それは、キッチンにはこだわりたい、というご希望をお持ちの方が増えてきているからなのですが、機能性と見映えの両方を一挙両得し、さらにコストも抑える!という方法があります。
 
それが冒頭※に触れたところですが、こちらのスケッチ(下図参照)のように、メーカーシステムキッチンを使用しつつ、その周囲には新たに装飾をした腰壁を造作(既成のモノではなく新たにつくりあげること)する、という方法です。そうすれば、対面型やオープンキッチンという利点を残しながら、「機能」+「コスト」+「好きな素材」というメリットを享受できるのです。

この方法は特に、リフォーム済みの物件を購入されて、新品のシステムキッチンが既に据え付けられている、という、そんな状況の方には特に!!お勧めです。
 
そして、次に[天板]です。
天板の素材には、「SUS(ステンレス)」「人工大理石」「天然石(大理石・御影石など)」などがポピュラーですが、中には「木材」なども撥水加工をして採用されているケースもあります。「木材」も樹種によって特徴があり、チークなどは水に強く、味のある素材感からか人気があります。
 
天板では、直接水が触れやすいところになりますので、前述のような、長い目でみてお手入れのしやすい素材、が好まれる傾向にあります。
 
同じ素材の中でもいろいろな仕上げ方があり、「SUS」でいえば、ツヤがあるものから、ややマットな表情のヘアライン仕上げ、バイブレーション仕上げといった予めラインや模様が入っているものもありますが、長く使っていくと傷はつきやすい素材です。
 
また、人工大理石でもマットで単色のものや、マーブルなど多種類あり、シンプルで清潔感が出るものが多いと思われます。ただ、淡い色のものだとシミになってしまったりすることもありますので、色のついたものを放置しておくのは要注意です。(もちろん、そのシミをとることは可能です)
 
中にはこんな秀逸なケースもあります。
造作のキッチンにおいて、天板を人工大理石でつくったケースですが、継ぎ目なく、一枚の天板に仕上るため、型をつくって天板を製作しています。実はこの型がなかなかどうして高いのですが、この型を再利用して、レンジフードのSUSも同じ形でつくられています。

※シンクのくぼみを上手く使ってレンジフードの折り上げにしている。ひっくり返せば同じ型。
 
いかがでしょうか?
なかなか気付かないくらい上手くバランスがとれていますが、こういった離れ業ができるのも自由設計ならではですね。
 

そして最後に、[立ち上がり(壁面)]です。
キッチンで壁に面している部分において、コンロ周りであれば油ヨゴレ、シンク周りであれば水跳ねなどの予防のため、お手入れのしやすい素材をその立ち上がり部分に用います。

素材として多いのは、「SUS」「タイル」「キッチンパネル」です。
「SUS」「タイル」などはそのモノ自体がふき取りやすく熱にも強いため、重宝されています。但し、タイルの場合は目地に付着した油はやや落ちにくいので注意が必要かと思います。
 
中では、キッチンパネルがお手入れもしやすく、コストパフォーマンスも高いかと思います。キッチンパネルを使用される方もよくいらっしゃいますが、壁の色と同色にし、目立たないよう工夫をされている方が多いです。
 

 
最後に、少し話題はそれますが、対面型オープンキッチンにした場合、電子レンジや冷蔵庫などといった背面に出てくるものを隠したい、というご要望もたまにあります。そういった場合は、簡単に隠せる引き戸などを使って、シンプルに見せてしまう手法もあります。この場合は、引き戸の中が市販の食器棚でも隠せますので、造作するより安価に仕上がる場合もあります。

以上いろいろと挙げてきましたが、素材によって空間の風合いに与える影響は大きいかと思います。まだ家探し自体これから進めていく、という方から、今現在設計の打合せを始めている、という方まで、いろいろな事例をご覧になられて、自分好みの素材をチョイスされてはいかがでしょうか?
 
それら気になったモノをスクラップし、設計者と写真を介してイメージ共有ができればよりスムーズに打合せができ、設計者が上手く全体とのバランスを考えて素材をコーディネイトしてくれるかと思います。
 
 
今回も思わず長くなってしまいましたが、また今回の反響を受けて、次回の○○○マニアもお届けいたしますので、乞うご期待ください!

お電話からのお問合せ

080-0300-1296

営業時間 10:00-19:00(火・水・祝定休)

個別相談のご予約