ReBITA

築105年の登録有形文化財を含む建物を、
アパレルとカフェを併設するホテルへと再生

TSUGU 京都三条 by THE SHARE HOTELS
京都府京都市

プロジェクト概要

築105年の歴史的な近代建築を受け継ぐホテル

京都市中心部三条通に位置する、築105年の登録有形文化財を含む事務所ビルをコンバージョンしたホテルです。当時の設計は東京駅や日本銀行の設計で知られる辰野金吾率いる辰野・片岡建築事務所が担当。元の建物の魅力と歴史的価値を最大限に活かすため、文化財の象徴的な尖塔を望める窓を各所に設置し、また石貼りの外観の印象を建物内全体に波及させるべく既存コンクリートの躯体を内装に活かした改修をしました。
館内にはアパレルショップやカフェを併設するほか、文化財の尖塔を望む宿泊者専用ラウンジにはシェアキッチンも完備しています。客室は登録有形文化財の建物内にあるJunior Suiteをはじめ10タイプ49室あり、1名様からグループまで多様なニーズに対応しています。

担当範囲

#企画・プロデュース
#プロジェクトマネジメント
#運営

課題と解決

課題

( 01 )

一部に賃貸借期間中のテナントが残る約740坪の複合ビル

本施設の1階には賃貸借期間中のアパレルテナントが入居していたため、1階にホテルの顔となる共用スペースを十分に確保することができず、上階に確保するとホテルの客室レンタブルが悪化してしまうという課題があった。また、既存建物の形状や柱割、開口部面積などにより、客室構成が制限される中で、いかに収益を最大化させるかが課題だった。

( 02 )

ブランドビジョンの体現

THE SHARE HOTELSは”SHARING WITH LOCALS 地域との共生”をビジョンとし、地域プレイヤーの活動・発信の場を提供しながら、宿泊者と地域との接点を創出するホテルブランドです。本物件では、既存建物の一部に残る、三条通を代表する1914年築の登録有形文化財をいかに活用し、地域に根差したホテルを生み出せるかが課題だった。

解決

( 01 )

既存テナントの協力を得て、みなし共用部を確保

既存アパレルテナントの協力により、テナント区画内に新たに飲食テナントを誘致してリニューアル。またテナント部分もホテルと同じインテリアデザイナーを起用することで、ホテルとシームレスに繋がる、宿泊者も地域住民も利用できる、みなし共用部を生み出した。これにより上階客室のレンタブルが向上し、収益の最大化を実現。

( 02 )

畳の小上がりがある客室により、収容人数を高める

ホテル部分が約650坪と小規模であることに加え、既存建物の制約により、効率的な客室構成とすることが難しい物件だった。そこで、畳の小上がりの客室を積極的に取り入れ、畳に布団を敷くことで収容人数を高め、面積当たりの客室単価を向上。インテリアにおいては、和紙貼りの折れ戸や畳などの和のエレメントを用いながら、既存コンクリート躯体を活かして和室と洋室にまたがり統一感のあるコンテンポラリーな空間に仕上げた。

( 03 )

マテリアルや動線の工夫で、文化財のイメージを最大化

登録有形文化財部分は石貼りの外観が最大の特徴。しかし、1983年にその過半は建て替えられていた。残る文化財部分の印象を建物内全体に波及させるべく、既存コンクリートの躯体を活かしたデザインを基調に計画。また、文化財の象徴的な尖塔を望める窓を設置したり、三条通から文化財部分をなぞるように入口動線を整えることで、限られた文化財部分が宿泊者の記憶に残るように計画。

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物件概要

物件名
TSUGU 京都三条 by THE SHARE HOTELS (公式HP)
所在地
京都府京都市中京区三条通柳馬場西入桝屋町75
アクセス
京都市営地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅徒歩5分
構造
鉄筋コンクリート造(RC造)
延床面積
2407.14平米
築年月
1983年(一部1914年)
リノベーション後用途
ホテル
リノベーション年月
2019年
開業日
2019年5月

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