ヴィンテージマンションとインテリア|お宅拝見

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ヴィンテージマンションとインテリア

目 次
  1. 1リノベーションでは変えられない、街と建物の雰囲気で物件を選ぶ
  2. 2ニューヨークの美術館がヒント。カンディンスキーの絵が似合う空間に
  3. 3旅行先で購入したアートや雑貨で家を飾り、家づくりを楽しみ続けていく

散歩が趣味で、リノベーションの物件を探すときも、歩きながら周辺環境を観察し、街の雰囲気にもこだわったというIさんご夫妻。友人を招き、料理上手なご主人が腕を振るって、食事とワインでおもてなしすることも多い。そんなライフスタイルに合わせて、リノベーションされた空間とは?

ヴィンテージマンションとインテリア
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リノベーションでは変えられない、
街と建物の雰囲気で物件を選ぶ

——この物件は、ヴィンテージマンションですね。エントランスや廊下などが重厚な造りで、都心ですが緑が多く、静かな環境です。リノベするにあたって、どうしてこの物件を選んだのですか?

ご主人:リノベーションで変えられない街や建物の良さを重視して選びましたが、直感によるところが大きいです。実は物件探しにはすごくこだわりました。散歩が趣味なので、「Google Map」に見たい物件の地図を登録しておき、週末に歩きながら街と物件の外観を見に行くことを繰り返しました。多いときには1日に15件くらい、約2ヶ月かけて120件ほどみましたかね。

——それはすごい数ですね。そこまで見てもピンとこなかったということですか?

ご主人:その中で5件ほど内見しました。私はものすごく調べるタイプなんです。調べ過ぎると直感よりロジックが勝ってしまって、もっといいものがあるのではないかと、決められなくなる。でも、中古物件はすぐに決まってしまうので、どんなに知識があっても即決する用意をしておかないと、自分たちにとって最高の物件を逃すことになると思うんです。そこを妻の決断力が補ってくれました。

奥さま:この物件は、築年数が経っていますが、素の良さが出てくる年代でもあると思うんです。しわくちゃでもきれいなおばあちゃんのような、そんな印象を持ちました。あと、エリアと広さを考えると、築古ゆえの割安感も魅力でした。これは絶対に決めるべきだと、夫を説得したんです。

ご主人:今では感謝しています(笑)。

——街の雰囲気にもこだわられたということですが、それはどうしてですか?

ご主人:都心の便利な場所ということは決めていたのですが、エリアは絞っていませんでした。どの街にも良さがあるというのが私たちの考えで、エリアを決めずに、ご縁のあった街に合わせて住みこなしていければと思っていました。だから街の特徴や魅力をつかむことが大事だったんです。

奥さま:散歩していて楽しい街に住みたいと思っていたし、外食も楽しみたい。素敵な店があるなど、街から刺激を得られることも求めていました。

ご主人:まったく馴染みのないエリアだったし、高級なイメージがあったので、まさか白金に住むことになるとは思ってなかったのですが。

——住んでみてどう感じていますか?

ご主人:静かで落ち着いていますね。70代くらいの高齢者が多いけれど、30代も増えているらしいです。同じマンションの住人の方も、フレンドリーで親切な方が多く、若い層を中心に交流が盛んになってきています。先日7年ぶりに懇親会が行われ、私たちも参加しました。

奥さま:白金から20分も歩けば、恵比寿、六本木、麻布十番、広尾などの賑やかなエリアに出られます。休日に散歩と買い物をセットにしていろいろな街に出かけるのが、最近の楽しみです。これからも変わっていく街と、コミュニティを楽しんでいきたいと思っています。

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ニューヨークの美術館がヒント。
カンディンスキーの絵が似合う空間に

——広々としたLDKの空間は、黒や茶色などのモノトーンでまとめられ、全体的にシックで落ち着いた印象ですが、間取りや仕上げのデザインなどは、どのように決めていかれたのですか?

ご主人:LDKにいる時間が一番長いので、できる限り広くしてもらい、空間のデザインにもこだわりました。

奥さま:最初はイメージを言葉にすることに苦労しました。「重厚感のある濃い茶の床」「キッチンは黒いモザイクタイル」「スチールの棚をつくりたい」といったミクロなイメージは表現できるのですが、全体を統一するコンセプトが導けないでいました。

ご主人:その頃、たまたま私、ニューヨークに出張に行き、美術館や建築の写真を撮ってきました。それを見ているときに「要するにニューヨークっぽいものだよね?」という話にまとまったんです。それからは設計者の矢野さんと、私と妻でコンセプトが共有でき、すべて順調に進みました。物件が持っている古さを活かし、ミッドセンチュリーやロフト的な要素を取り入れていきました。設計者の矢野さんも、懇切丁寧に話を聞いてくださり、多くの案を出してくださいました。

奥さま:「MOMA」の写真はとても役に立ちました。今、リビングにカンディンスキーの絵画のポスターを飾っているのですが、それが似合うような空間にしたいとお伝えしました。

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——黒のタイルを張ったキッチンは、インテリアとしてもポイントになっています。スペースもかなり広く取られていますが、こちらは奥さまのこだわりですか?

ご主人:私が料理好きなんです。友人を家に呼んで、おもてなしをすることも多いのですが、皆と会話しながら調理したいから、対面式のカウンターキッチンにしたいと思いました。スパイスや果実酒の瓶を置くために、黒いスチールと木を組み合わせた吊棚も造作してもらったんです。ダイニングとキッチンがいちばん大事なので、ここはしっかり予算をかけてつくることにしました。

——ダイニングの横の壁は一面が棚ですが、一角にはワインセラーがありますね。

ご主人:家でワインと食事を楽しむのが日常なので、最初からここにワインセラーを置くことを希望し、ぴったり収まるように、棚のサイズを合わせてもらいました。

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——リビングには、つくり付けのデスクもありますね。ここはどのように使っていますか?

ご主人:私は家で仕事をすることが多いので、PCデスクとして使っています。このデスクとダイニングテーブルは65cmと低めにつくってもらって、長時間座っていても疲れない高さにしてもらいました。

奥さま:私は、引っ越してきてから部屋に植物を飾ることに凝るようになり、このデスクで手入れやお世話をしています。

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旅行先で購入したアートや雑貨で
家を飾り、家づくりを楽しみ続けていく

——寝室の壁は一面だけ紺色に塗られていて、そこにマティスの絵画のポスターが飾られていますね。この壁の色もお二人のリクエストですか?

奥さま:寝室の紺色の壁とトイレの壁は「ポータズペイント」です。自分たちで色を選んで、塗装もDIYでやりました。何か絵を飾るつもりだったので、それに合わせて紺色にしました。

——ほかにもたくさん絵画のポスターが飾られていますね。

ご主人:二人で海外旅行によく行くのですが、現地で美術館に行くことが多く、そのときに観た絵のポスターを購入したものです。

奥さま:ベッドカバーとして使っているリネンも、スペインに行ったときに見つけたバスク織りです。

ご主人:料理に使うスパイス類も海外でまとめ買いします。

——キッチンの上の棚にあるスパイス類ですね。透明の瓶に入れて飾っているから、インテリアのアクセントになっていますね。

ご主人:この家に引っ越して、旅行先で家に飾るものを探す楽しみが増えました。今後も少しずつ旅の思い出とともに、家を飾っていきたいと思っています。それも家づくりの一環という気持ちでいて、今後も楽しみ続けていければと考えています。

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