好きな街で、自分たちらしく、住まうこと|お宅拝見

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好きな街で、自分たちらしく、住まうこと

目 次
  1. 1◎パチパチ、スイッチ!
  2. 2◎奥さま手作りの照明
  3. 3◎『Gallary』
  4. 4◎プロ仕様!カメラの引き伸ばし機

横浜駅から徒歩5分。都会の活気があふれる街の一歩踏み入ったところに静かな住宅街があります。今回取材させていただいたKさまご夫妻は、ご主人がハウスメーカー、奥さまがリノベーション会社で、それぞれ一級建築士として住まいの第一線で活躍している建築のプロフェッショナルな方々です。そんな誰よりも建築の最新技術やアイデアに敏感で、情報豊富なおふたりが、なぜ中古マンションでリノベーションを選んだのでしょうか?そしてどのような暮らしを実現したのでしょうか?今回は、写真とリノベーションのアドバイスたっぷりでご紹介いたします。

―おふたりとも建築関係のお仕事だそうですが、住宅購入にリノベーションを選択した理由はなぜですか?

Kさん:二人が建築士だからマンションをリノベーションした、というわけではありません。私たちが住まいについて大切にしたこと。それは自分たちが“大好きな街(横浜)”で、これからもずっと“自分たちらしく住まうこと”でした。新築とか中古とか○○風とかデザイナーズとか、そういった形式(スタイル)は重要ではなく、それよりも、気持ちのいい風が抜けるとか日当たりがいいとか、手触りのいい素材でできた壁・床・天井かとか、今まで気に入っていた家具がこれからも使えるかとか、そういうものを重視したかったんです。それらを実現しようと考えたとき、結果的にマンションをリノベーションするというカタチになりました。

―好きな街で希望の物件をみつける。それは簡単なようで難しいことですよね。このマンションはどのように出会ったのですか?第一印象は?

Kさん:以前から二人とも横浜に住んでいたので、この周辺の住宅事情についてはよく知っていました。そんな中で自分たちが良いなと思う物件はほんの数件しかなく、やっと候補の物件が不動産情報にあがって問合せたときには、すでに成約済・・・。残念に思っていたら、なんと同じマンション内で別の部屋がこれから売りに出されるという情報を知りました。さっそく内覧に行くと、風通しのいい窓が配置されていて、日当たりも良く、リビングの天井が高い。さらにマンションにはエントランスが2つあって、駅からのアクセスも良かった。建物は築20年ですが、管理体制もよく間取りも悪くない。そんな印象を受けながら、表面的な古さではなく、ここなら気持ちよく住める可能性があると感じました。

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リノベーション前のキッチン。一部開口はあったがリビングとキッチンは壁によって仕切られていた。

―出会った物件に可能性を感じたのですね。リノベーションをするにあたって何かコンセプトは決められたのでしょうか?

Kさん:いわゆる北欧スタイルとかミッドセンチュリーとかジャパニーズモダンといった「○○風(スタイル)」というコンセプトは決めませんでした。(もちろんデザイナーズ○○とも無縁です)ふたりで「なんとなくこんな感じだよね」とか「こうしたいね」という意見をすり合わせながらプランニングしていったのですが、そこで自分たちが大切にしたかったのは、気持ちよく抜ける風や、手触りの良い素材(ムク床)、緑や太陽の日射しといった、シンプルな気持ちよさ。その結果、○○スタイルという枠にはめたものではなく、自分たちの気持ちよさがひとつにまとまったような空間が出来上がりました。室内にデザイナーズ家具ではなく、自分たちが創った照明や撮った写真などを置いたのも、そんな考えからなんですよ。

―それでは、お二人がシンプルな気持ち良さを求めてできたお住まいをご紹介していただきましょう。まず、玄関ドアを開けると土間が広がっていますね。

Kさん:はい、玄関位置は北側ですが、窓があってとても明るかったので、玄関からつながるように、自転車など大きなものが置ける収納スペースとして「土間」にしました。さらに、北側の一室をベッドルームにしたのですが、ここではあえて土間との間に壁を作るのをやめ、収納でゆるやかに仕切ってベッドルームとつなげました。そのおかげで玄関から寝室、通路まで回遊できるようになり、光も風も通るようになりました。風通しがいいので、この夏(7月下旬現在)はまだエアコンをつけていないくらい快適です!

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玄関を開けた様子。手前を右にすすむと室内へ。奥まで続く土間には自転車を収納。そこから寝室へ続いている。
手前に写るイスは世界最大とも言われるアンティーク街、クリニャンクールの蚤の市で買ってきたという小さなイス。
奥さまは古道具が好きで、一目ぼれしたそう。

―バス&パウダールームは、真っ白で明るいですね。

Kさん:お風呂は「必要な機能だけあればいい」と考え、松下電工のシンプルなものを選びました。実はこれはリビタの『リノベーション済みマンション』でもよく使われているんですよ(奥さま)。

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―続いてリビングダイニングキッチンのこだわりは?

Kさん:今回のリノベーションで唯一、大がかりな工事を入れたのがこのキッチン。人造大理石のカウンターとシンクが一体になっているので、パッと見では汚くみえないっていうのがポイントです(笑)それに、遠くからみてもあまり水場って感じがしないところがお気に入り。カタチはリビタでも人気のペニンシュラ!上の作業台が十分大きいのですが、プラスαでキャスター式の作業台もつくりました。稼動できるので便利です。

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リノベーション前にあった壁を抜いてオープンキッチンに。
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左)角部屋のためキッチン壁にも窓が。作業台も広々!
右)奥さまの趣味の陶芸でつくった数々のお皿たち。手作り皿で手料理を食べる生活は素敵ですね。

―続いて和室では、どのようなリノベーションをされたのですか?

Kさん:和室をリノベーションする最、隙のない正統派の和室ではなく、クールでモダンな洋風の和室でもなく、手作り感のある白い和室にしたいと思っていました。そこで、障子や天袋など既存のものを白く塗装しました。畳は藺草(イグサ)です。最近、スタイロ畳が一般的になっていますが、藺草の質感とか、素足感とか、あの匂いとか・・・本物にこだわりました。何より職人さんが一生懸命作ってくれた畳ですからね。大事に使おうって思っています。

―和室にもエントランス同様に土間がありますね。そして大きな機械らしきものも。もしかして土間をつくった本当の理由は・・・?

Kさん:はい、土間を採用した最大の理由は、(奥さまの趣味である陶芸の)電動ロクロをおくためです。さすがに畳やフローリングの上に置くのはNGなので、それに耐えうる素材で土間のようなスペースをつくりました。

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壁際に置いた低いテーブルのようなものは昔、着物などを裁縫するときに使われた“裁ち板”で、
古道具屋で買ってきたそう。青いポスターは、お二人お気に入りの空の写真。

―壁と床へのこだわりをおしえてください!

Kさん:壁も床も素材感と手触り感を大切にしたかったので、壁は白い塗装に、そして床は無垢のフローリングにしました。難しかったのはここを床暖房にする計画です。無垢は自然のそりがでてしまうものなので、床暖房のような強制的な熱には弱いんです。選択できる無垢床はそれほど多くないのですが、そんな中から手持ちの家具に合うものを決めていきました。

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まだまだあります!K邸のその他のこだわりインテリアをご紹介!

◎パチパチ、スイッチ!

ご主人が、この音と感触がたまらない!といってこだわった電気のスイッチ。

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◎奥さま手作りの照明

奥さまが陶芸で作った照明の数々が部屋の中を彩る。照明はレールに吊るして移動できるように。
いつでも照明の数を追加したり移動したりできる。

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◎『Gallary』

玄関からリビングに向かう通路には、お二人(主にご主人)お気に入りのBook&Magazineを平置きにディスプレイ。
その中から写真集を発見。なんと、ご主人が趣味のカメラで撮ったフォトアルバム!

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◎プロ仕様!カメラの引き伸ばし機

ご主人さまの趣味のカメラもここまでくると本格的!これは現像するときに暗室で使う引き伸ばし器だそう。
インテリアの一部になっています。さらに今は製造終了となった幻のポラロイドも。

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「包容の家。」 取材を終えたとき、そんな感想を抱きました。バルコニーからのぞく植栽の緑やハーブ、手作りの照明や食器類、名も無き異国のアンティーク家具、奥さまの陶芸の品、そしてご主人のフォトグラフなど。お二人がそれぞれ持ち寄ったアイテムが、リノベーションによって適えられたこの空間のなかで、とても仲良く共存しあい、自分たちの居場所!と喜んでいるように感じたのです。人も家具も雑貨たちも、寄り添って、集まって、包まれる感じ。リノベーションって、まさに、住まう人が一番心地よく過ごすための暮らし方(ソフト)を適える手法なのだなと実感するお住まいでした。

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