昔の日本家屋には、戸外と屋内の中間スペースとして炊事や農作業を行う土間がありました。洋式のライフスタイルが定着した現代においては、土間をつくる住まいは少なくなりましたが、土間を”屋内でのアクティビティを拡大する場所”と現代的に捉えて、あえて土間をつくる家族がいます。
東京都世田谷区のKさんご家族は、マンションでありながら玄関からLDKまでをひと続きにした広い土間をつくっています。彫刻の作品づくりやDIYが趣味のご家族は、「汚れても気にならない広いスペースが必要」という考え方から、LDKまで続く土間を住まいの中心に据えた、思い切った間取りにしました。”キッチンで料理”と”土間で創作活動”が共存する一つの空間があることで、思いもよらないクリエイティブなアイデアが生まれそうです。
戸外と屋内の中間にある土間は、何をしてもいい汚れても気にならないスペース。今まで外やレンタルスペースでやっていた作業を住まいに取り込める、自由度の高い空間です。家の中の行動を決め込まない土間があれば、住まいはもっと自由に使いこなせそうです。