住まいを購入すると、家族構成や暮らし方のスタイルが変わるたびに引っ越すのは難しくなります。そこで、住まいをその時どきの家族の暮らし方に合わせて変化させていこうという発想で生まれたのが、今後を見据えて”空間の余白”をつくっておくリノベーションです。

神奈川県川崎市のFさんご家族の住まいは、住みながら数年ごとに少しずつリノベーションしていくという方法を取っています。1回目のリノベーションでは、近い将来に子ども部屋をつくることを想定して、壁に下地材を入れて、配線も計画的に施工しました。

2回目のリノベーションで、リビングの一角に間仕切りを立てて子ども部屋をつくり、3回目のリノベーションでは完全に独立した子ども部屋を検討中です。

広いリビングルームにして、子ども部屋の仕切りがつくれるように壁や天井に下地材を入れておく。子どもが独立した後は仕切りを取っ払って、大きなリビングルームに戻す。……このように数十年後を見据えたきめ細かい設計をして、暮らしのスタイルの変化に柔軟に対応できる余白を残しておくことで、2回目からの工事の範囲を狭く、短い工期で済ませることができます。

購入時に完璧な理想通りの住まいを目指すのではなく、住まいを、”家族と共に成長するもの”という考え方で見てみてみるのはいかがでしょうか? どれだけ家族が年齢を重ねても、空間の余白を楽しみながら居心地の良い空間で暮らせそうです。