一つの住まいに、二つのリビングルームをつくる提案です。二箇所に家族の居場所をつくることで、住まいの中でお互いの気配を感じながらも、干渉しない距離感を保てます。

東京都世田谷区にあるOさんご夫妻の住まいは、寝室を真ん中にして左右にリビングルームがあるユニークな間取り。キッチンがあるほうのリビングルームはリラックスして過ごす部屋、もう一つの”セカンドリビング”は、映画を見たり、自転車のメンテナンスをする趣味の部屋にして、二つのリビングルームを使い分けています。

また、東京都三鷹市のT邸はオープンキッチンを中心にして、左右にリビングルームと寝室、”サブリビング”にもなる土間を配置。これらの部屋を壁で仕切らずひと続きのワンルームにすることで、限られた面積でも開放感のある空間を実現しています。

リビングルームが二つあれば、日当たりや風通しによって朝・昼・夜と居場所を変えたり、それぞれの部屋を個々のセンスで彩ることも可能です。共有するスペースを介して空間がゆるやかに繋がりつつ、お互いのプライバシーを侵さないほどよい距離感が保てるのは、住まいに二つのリビングルームがあるメリット。
一番長く過ごす空間に多様な用途で使える場所があれば、衣食住はもっと気持ちの良いものになりそうです。