
| <物件概要> | |
|---|---|
| プロジェクト名 | :CNS |
| Type | :リノベーション・マンション・コーディネートサービス |
| 間取り | :1LDK |
| 家族構成 | :1人(30代単身) |
| 専有面積 | :57.98平米(17.54坪) |
| 設計 | :株式会社アーキット 森本敬士 |
| 施工 | :株式会社アーキット |
<後編>
自由設計。「憧れるけど、大変そう?どう進めるの?」ほとんどの方が初めての体験なだけに、そんな風に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
それに加えて、リノベーションという既存建物を生かした住まいづくりの特性上、ちょっとしたハプニングもつきまといがちです。
後編では、M邸の設計こだわりポイントとともに、自由設計の進め方、楽しみ方の秘訣もお伝えしていきます。
- M邸でとても印象的なのは、濃いグレーの壁に白とステンレスが際立つ、大きなアイランドキッチン。 どうして、こういうキッチンにしたのですか?
- これも、「合理的にシンプルに」というコンセプトから産まれたんです。
キッチンとダイニングテーブルをくっつけてひとまとめにしたら、少スペースで済むかなと思って。
実際に、ご飯を食べたり、本を読んだり、ちょっと仕事をしたり、なんでもここで済ませています!
ダイニングの背面にCDや本を入れられる棚もつくったので、導線もとてもよく、気に入っています。

棚は、棚板の高さが調整出来るようになっているので、入れるものにあわせて高さを変えられます。 どれも、合理的につくるというコンセプトを、設計者の森本さんとともに具現化していったものです。
- ダークグレーの壁やキッチンの面材、照明を埋め込んだ換気扇など、シンプルながらスパイスの効いたデザインが、 とても良い感じですね。これもイメージされていたんですか?
-
イメージは持っていたので、森本さんに予め伝え、細部のデザインを提案してもらいながら進めていきました。キッチン周りの壁は、汚れが気になるので、最初はタイルやキッチンパネルも検討していましたが、なかなか気にいったものが見つからず、「塗装で済ますってアリですか?」とこちらから提案したんです。そうしたら、アリだねってことになって、塗装になりました。タイルやキッチンパネルよりコストも下がったし、とても気に入っています。
アーキット森本氏:実は、工事が始まって内装を解体してみたら、予想に反して躯体(コンクリート壁)が出てきてしまったんです。でも、躯体のほうが塗装しやすいので、これはラッキーな予想外でした。キッチンは、Mさんの希望を反映し、オーダーでつくることにしたので、換気扇も、キッチンのデザインに合わせたものをデザインし、オーダーでつくりました。実は、このキッチンの天板と天井から吊るしたステンレスの板は同じカタチ。ちょうどシンクの窪みが、換気扇の窪みに対応します。同じカタチのものを素材違いでつくってもらう事で、コストダウンにもなりました。
- 内装を解体してみたら、予想と違った!というハプニング話は、たまに伺いますが、ほかにもそういうハプニングはありましたか?
-
アーキット森本氏:予想と違ったと言えば、天井ですね。当初、塗装せず、コンクリート打ち放しでいこうと打ち合わせていたのですが、
(天井を)剥がしてみたら、思ったより汚かった。Mさんに報告し、急遽白く塗装することに変更しました。
それと、結構不要になる配管があったので、穴がぽっかりあいてしまったり、配管の跡が残ってしまったりしたのですが、
そのまま残すようにしました。Mさんのセンスで、すごく上手にインテリアに活かしてくれています。


梁に開いていた穴は塞がずに、おもちゃを飾って。
Mさん:塞いだりきれいにすることも出来ると言われたのですが、味になっていいかなと。 こうした偶然の副産物が産まれるのもリノベーションの面白さ、醍醐味ですね。
- リノベーションや自由設計は、予想以上にお金がかかってしまうのではないかという不安の声を頂くことが多いですが、いかがでしたか?
-
天井を塗ることになって、コストはUPしてしまったのですが、キッチンの壁と相殺されました。お金がかかるところはかけて、削れるところは削って、
総予算の中で状況に応じて、柔軟に考えるようにしました。それと、予算の上限を理想の上限と覚悟の上限の2段階に分けて考えました。
理想の上限を目指して進めながら、一方で迷ったときには、覚悟の上限を超えないかを判断基準にしたので、あまり迷うことがありませんでした。
自分でお金のかけどころを決めれるので、納得感がありますよ。
- ほかにもこだわったポイントを紹介してください。
-
まず、間取り。
小分けの3LDKから、広いリビングのある1LDKへ。明るく開放的になりました。
他にもいろいろ細かい部分にこだわりました。
【こだわり紹介】
●水周り

お風呂・洗面・トイレもひとまとめに。小さな面積でも使いややすく、 広く感じられると同時に、リビング面積に還元しました。また、迷いに迷ったユニットバス。 最終的には、一番シンプルなものをチョイスしました。 ●パソコンデスク 
気に入ったパソコンデスクが見つからず、棚をDIY。 ●床 
床は、古材のフローリングも検討したほど、質感にこだわった。
結局、コストも考慮して、3mm厚付の無垢材に。
蜜蝋ワックスを現場で塗ったので、経年で風合いが増していくそう。●コンセント 

スタンド型のテレビを置くことにしていたので、床にコンセントを設けました。
配線がごちゃごちゃせず、すっきりします。
- 最後にこれからリノベーションをされる方へのアドバイスをお願いします。
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物件探しは、自分で手を加えられない範疇のところをよく見ておくべきだと思いました。物件を探しているときは、部屋の内装の状態などがどうしても気になってしまいましたが、結果的に全部リノベーションをしたので、全く気にする必要がありませんでした。それよりも、エントランスの雰囲気やごみ置き場、サッシなどの共用部の状態や、音、日当りなどの住環境の部分は、買う前はどうでも良いと思ったんだけど、住んでみると、気に入らなくても自分の手では後からどうにもできない部分なので、もっと気にするべき、大事なことだったなと思いました。
「もう一度やってみたいんですよね。すごく楽しかった。」最後にそんなことをおっしゃっていただきました。 物件探しから、設計、施工と全てのリノベーションのプロセスを思い切り楽しまれたようです。Mさんのリノベーション成功の秘訣は、 判断基準を明確に持っておくこと、設計者やコーディネイターと蜜にコミュニケーションを取りながら進めていくこと、 そして何よりも楽しむことのようです。Mさん、ありがとうございました。
文:木内/撮影:photographer クドウトモコ









