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<物件概要>
サービス名 :一棟丸ごとリノベーション
家族構成:2人(30代夫婦)
専有面積:68.09㎡
設計:OpenA
既存建物竣工年:1992年



こちらに住む前はどのような住居にお住まいでしたか?

主人:リノア赤羽から自転車で10分程度ところにある賃貸住宅に住んでいました。大野正博という建築家が手がけた集合住宅で、デザイン性だけでなく、人と人のコミュニティが生まれる仕掛けがありました。
建物中央の共用部には井戸やベンチ、ケヤキの木など住人が集まれる中庭がもともと計画されていて、そこに自然と人が集まってきて一緒に飲み明かすことも。隣人同士が家 族のように付き合っていた、昔の長屋のような雰囲気をもつ集合住宅でした。引っ越した今でも、定期的に現入居者からOBまで集まってバーベキュー等をしています。
私は地方から出てきて以来ずっと一人暮らしをしていたのですが、同じマンションに住みながら隣の人と話したり酒を飲んだりすることは初めてだったので、ここでの経験はとても貴重でした。
一度ご近所付合いの楽しさを経験すると、それ無しの暮らしは考えられなくて、次に住むところでもコミュニティのある暮らしをしたい、そう思っていました。




家を購入しようと思ったきっかけは何ですか?
主人:買うことは全く意識していなくて、以前のような賃貸住宅の名作を転々としたいと思っていました。それに、コミュニティのある暮らしも。一度ご近所付合いの楽しさを知ってしまうと、普通のマンションに住みたいとは思えなくて。
リノア赤羽を知る前に住みたかったのが、目黒にある泰山館(設計:泉幸甫建築研究所)。中央に大きな中庭がある名作建築で、内覧に二度行きまいした。ただ賃料がとても高くて・・・。
毎月それなりの額を払うなら買ってしまった方がいいと思い始めたときに、たまたまポストに投函されていたチラシでリノア赤羽のことを知りました。
「森のとなりに住みませんか?」と書かれた印象的なコピーにひかれ、普段ならすぐに捨ててしまうチラシも手にとって目を通しはじめました。
よく見ると「森のリノベーション」や「無印良品+ReBITA」など面白そうな内容で、場所も自転車で行ける距離だったので、同じアパートに住んでいた建築家の友人に声をかけてほぼ冷かし半分で見学に行きました。

奥様:そして一週間後には契約してた(笑)

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Sさんがリノア赤羽を知るきっかけとなったチラシ



新築・中古・リノベーションの中で、なぜリノベーションを選んだのですか?
主人:友人とシェアしていたオフィスがリノベーション物件だったから、リノベーションに対する抵抗はありませんでした。
賃貸の名作建築を転々とするか、買うならリノベーション。新築分譲マンションという選択は全くなかった。
何度か新築分譲マンションも見て回ったけれど、どこへ行っても面白みの無い○LDKの田の字プランばかりだし、ドアノブ、クロスなども無機質な感じがする(笑)
逆に、個性的な中古のデザイナーズリノベーション物件も見たが、それはそれで前の人のライフスタイルや個性が露呈し過ぎていて、居心地が悪く感じた。




中古を買うことに対する不安はありませんでしたか?
主人:中古なら、実際の建物を見て確認することができるので、目に見える安心感がある。むしろ、新築マンションの青田買いのほうが自分にはよほど不安。しかも、リビタの一棟丸ごとリノベーションなら、建物の品質を証明する「既存住宅性能評価書」も取得しているので安心でした。新築以上の安心感だと思います。




Sさんがご購入されたのは「無印良品+ReBITAリノベーションプロジェクトcase01」。この住まいを購入しようと思った決め手は?
主人:隅々までよく考えられた、合理的な住居だなと思いました。
新築分譲マンションで嫌だった画一的な田の字プランではなく、かつデザインされ過ぎたものでもない、緩く仕切られたプランが気に入った。
ある雑誌で「家を買うことは、自分の将来のライフスタイルを思い描くことだけれど、それは実際難しい。だったら、将来変更可能な余地を残して住まいづくりを考えることが大切なのでは?」と書かれていたのですが、まさにその言葉がぴったり当てはまる住宅だと思いました。戸建の増改築はよくあるけれど、それをマンションの中で実現する、その考え方は斬新だし、意志を感じました。無垢のフローリングや壁の素材感など必要最低限のデザインのみで、つくりに余計な造作がない、いかにも無印らしい削ぎ落としたデザインだと思いました。
奥様:私は無印良品が大好きなので、モデルルームは無印のお店にきたようですぐ気に入りました。

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既存住居
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スケルトン
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リノベーション後



一棟丸ごとリノベーションは専有部だけでなく、共用部も含めリノベーションしていますが、建物全体の印象はどうでしたか?
主人:緑のあるところに住みたいと思っていたから、「森のリノベーション」をコンセプトに共用部の植栽だけでなく、敷地の裏山まで再生させていることが良かった。今は冬場なので淋しい景色ですが、夏は建物全体が緑に覆われて都心とは思えないとても気持ちいい景色になります。私の親が見に来たときは、住居よりも植栽や裏山に感動していました。

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森のワークショップ
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森のワークショップ



この家で好きな場所は? またこだわりのポイントは?
主人:ゆとりある空間にめりはりをつけるため、畳=寝る、洗濯ものをたたむ。ダイニング=お茶する、食べる。リビング=くつろぐと。といったふに、一つの空間を家具で区切って使っています。


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リビング・ダイニング

① 畳
主人:もともと寝室として設計されていた場所を今は書斎として使い、寝る場所はこの畳スペースに布団を敷いて使っています。「畳」って万能で、「寝る」だけでなく「洗濯する」「くつろぐ」・・・・などなど、ひとつの場所でさまざまな行為を受け入られる。
奥様:私はソファ大好きだったのですが夫に処分されたので(笑)、今はこの畳でくつろいでいます。

② ダイニングテーブルと低座椅子
主人:ダイニングには、低めのテーブルと低座椅子のコレクションを置いています。
椅子は、戦後の工業デザイナーたちが、日本人の生活様式に合わせてデザインしたもので、食器を手に持って食べる文化にはテーブルや椅子の高さは低い方がよいというのが彼らの考え方です。この低座椅子は胡座もかけるし正座もできます。
奥様:私は食事のときは正座してます。
主人:しかも、低いほうが空間的な圧迫感がなくなって気持ちいい。
今は無印良品+ReBITAの提案プランを踏襲して、ダイニングテーブルを置いていますが、これからは日本デザインから北欧デザインに変えていこうと思ってます。
ちなみに今欲しい家具は、ポール・ケアホルムのPK9、PK58!全部そろえると普通車2台分くらいの値段ですが。
奥様:え!?
主人:そして、30年後くらいにはここに長さ3メートルくらいの大テーブルを置いて、仕事も家事も、食事するのも人が集まるのも全てできるような場所をつくりたい。


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低座椅子コレクション。デザイナーは左から長大作、秋岡 芳夫、秋岡 芳夫、豊口克平。

③ コージーコーナー
主人:以前はリビングにソファを置いていたのですが、部屋に圧迫感もでるし、楽なのはいいんですが寝てしまう人が続出して処分することにしました。それで、今はソファの代わりにコージーコーナーをつくり、イージーチェアとサイドテーブル、フロアライトを置いています。
イージーチェアはブルーノ・ マットソンがデザインしたもので、これも低座椅子同様に、日本人の体格と生活様式に合わせて畳の上にもおけるようにデザインされています。
このシェードランプはヤコブソンライト。これも北欧と日本のデザインが融合したものです。


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コージーコーナー

④ 光を楽しむ
主人:白い家は照明を選ぶのがとても楽しい。夜を楽しむためにテレビ後ろに仕込んだ照明や、北欧デザインのハンス・アルネ・ヤコブソンのヤコブセンライト。間接照明も、背景が白い壁なら、光の明暗を楽しめます。

⑤ 飾り棚のある生活
主人:「モノを飾ることが住人と家の個性を育てていく。」と建築家・中村好文が言っていたように、飾り棚って大切だなと思います。
飾り棚はブラウンの黄金期を支えたデザイナー、ディーター・ラムスのデザインによるヴィッツゥ。ラムスは、あの深澤直人が先生と呼ぶデザイナーで、ラムスのデザイン哲学を今受け継いでいるのは無印良品、アップル・コンピューターだと言われています。同じく、スピーカーもラムスのデザインでブラウンRT20。 60年代の作品で実はこれ真空管なんですよ。
イームズコケシ
つい先日、知人がつくっている「コケシ」本の撮影で、うちのコケシを撮影したのですが、これからはコケシブームが来ますよ!ちなみにこれはイームズ邸にある通称イームズコケシと呼ばれるモデルです。
奥様:私はコケシはちょっと・・・(苦笑)。
主人:今は飾るものが少ないのですが、人生の楽しみとして、思い出の品などを徐々に増やしていこうと思っています。




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ディーター・ラムスのデザインによるヴィッツゥ
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照明はハンス・アルネ・ヤコブソンのヤコブソンライト。電球:アッキレ・カスティリオーネ

⑥ 広々造作キッチン
主人:キッチンがとても広いので、料理をするようなりました。
奥様:夫が毎日作っています。
主人:得意料理は蒸料理。


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広々造作キッチン。雑多になりやすいキッチンは、視界をさえぎる程度に仕切りながらも、気配や空気は繋がるようにプランニング。


引越してきてから、変わったことはありますか?
主人:木造に比べると断然静かですよね。RCだから当然ですが。でも、静かなことが本当にいいかっていうとそうでもないと思う。以前住んでいたところは木造だったのもあり、となりの人の物音、しゃべり声が聞こえていて、それがうるさいのではなく、人の気配を感じる安心感があった。 奥様:引っ越してきて当初は、前の住まいが恋しくなったこともありました。 主人:でも、リビタさんが企画してくれた「森のべピクニック(※フォトギャラリー)」をきっかけに、少しずつ他の入居者の方と交流をもてるようになりました。その後も私たちが中心となって、入居者同士でリノベーションした自邸を見せ合う「オープンハウス」や、私の家に落語家を招いて開催した「リノア寄席」など、住人同士が交流を深められるようなイベントをしてきました。
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リノア寄席の様子
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リノア寄席の様子


これからやってみたいことは?
① 住人祭
主人:「リノア寄席」のような住人祭を開催して、これからもコミュニティの醸成に一役買いたいと思っています。春は「全国物産市」を、夏は「納涼寄席」を開催予定です。全国物産市では、皆それぞれ生まれ故郷の食べ物か飲み物をもってきて、自己紹介の代わりに食べ物・飲み物のウンチクを語ってもらいます。
② 間取り
主人:畳スペースを和紙のバーチカルブラインドで緩い仕切りって小部屋をつくろうと思っています。畳スペースは寝る場所でもあるので少し仕切りが欲しかったのですが、壁をつくるほどではなかった。昼間は開け放して、夜寝る時だけは仕切る。視界と空気を緩く仕切る程度のブラインドが調度いい。今、工務店に見積りをとって調整しています。
あと、十年後くらいには、仕事も食事も、人が集まったときにも使える大きなテーブルも置いてみたい。
一般マンションでは考えられないほどフレキシビリティがあること、間取りの自由さがこの家の魅力です。たとえばウォーインクローゼットを、子ども部屋にしたり、その都度考えてゆける余地があることが楽しみ。生活にメリハリをつけるため、5年ごとに定期的にレイアウトを変えて変化を楽しみたいと思ってます。


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文:森本/撮影:photographer 工藤朋子
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